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聖書 創世記Entry.

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  • 聖書 創世記 45章

    45 ここにおいてヨセフはそばに立つすべての者の前でもはや自分を制することができなかった。それで彼は叫んで言った,「皆の者をわたしのところから去らせよ!」 それで,ヨセフが自分のことを兄弟たちに知らせたとき,ほかにだれも彼のもとに立っている者はいなかった。

    2 そして彼は声を上げて泣きはじめた。そのためエジプト人はそれを聞き,ファラオの家もそれを聞いた。3 ついにヨセフは自分の兄弟たちに言った,「わたしはヨセフです。父上はまだ生きておられるでしょうか」。しかし,兄弟たちはこれに全く答えることができなかった。彼のために思いを乱されていたためである。4 それでヨセフは兄弟たちに言った,「どうぞわたしのそばに来てください」。そこで彼らはすぐ近くに寄った。

    すると彼は言った,「わたしは皆さんの兄弟ヨセフ,あなた方がエジプトに売った者です。5 しかし今,わたしをここに売ったことで悪く思ったり,自分のことを怒ったりはしないでください。命を長らえさせるために神がわたしを皆さんに先立って遣わされたのですから。6 今は地のただ中における飢きんの二年目ですが,耕し時も収穫もない年がまだ五年もあるのです。7 ですから,あなた方のために残りの者を地に置き,大きな逃れ道を設けてあなた方を生き長らえさせるために,神はわたしを先に遣わされたのです。8 ですから今,わたしをここによこしたのはあなた方ではなく,[まことの]神なのです。それは,わたしを立ててファラオの父,その全家の主とならせ,エジプトの全土を支配する者とならせるためだったのです。

    9 「急いで父上のもとに上って行ってください。そしてぜひこう言うのです。『あなたの子ヨセフがこのように言いました。「神はわたしを立てて全エジプトの主とされました。わたしのところに下っていらしてください。遅れることのありませんように。10 そして,ぜひともゴシェンの地にお住みください。ずっとわたしの近くにいらしてください。あなたも,あなたの息子たちも,息子たちの子らも,また羊の群れ,牛の群れ,そしてあなたの持たれるすべての物も。11 そうしたらわたしはそこであなたに食物を供給いたします。まだ五年も飢きんがあるからです。あなたとあなたの家,またあなたの持たれるすべての物が乏しくならないようにするのです」』。12 そして,ご覧なさい,皆さんの目もわたしの弟ベニヤミンの目も見ているとおり,わたしのこの口があなた方に話しているのです。13 ですからあなた方は,エジプトにおけるわたしのすべての栄光と,あなた方の見たすべてのことについてぜひ父上に話してください。急いで行って,ぜひ父上をここに連れて来てください」。

    14 そののち彼は弟ベニヤミンの首を抱いて泣き,ベニヤミンも彼の首を抱いて泣いた。15 それから彼は兄弟たちすべてに口づけし,彼らを抱いて泣いた。そののち兄弟たちは彼と語り合った。

    16 さて,「ヨセフの兄弟たちが来た!」という知らせがファラオの家に伝えられた。そして,それはファラオおよびその僕たちの目が良しとするところとなった。17 そこでファラオはヨセフに言った,「あなたの兄弟たちにこう言うように。『このようにしなさい。すなわち,あなた方の駄獣に荷を積み,行ってカナンの地に入り,18 あなた方の父と家の者たちを連れてわたしのところへ来なさい。そうしたらわたしはエジプトの地の良いものをあなた方に与えよう。そしてこの地の肥えたものを食べなさい』。19 そしてあなたはこう命じられている。『このようにしなさい。すなわち,あなた方のため,あなた方の幼い者や妻たちのためにエジプトの地から車を持って行きなさい。その一つにぜひともあなた方の父を乗せてここへ来るように。20 そして,あなた方の目は自分たちの持つ備品を惜しむことのないように。エジプト全土の良いものがあなた方のものだからである』」。

    21 それでイスラエルの子らはそのとおりに行ない,ヨセフはファラオの命令どおり彼らに車を与え,また道中の食糧を与えた。22 彼は各人それぞれにマントの着替えを与え,ベニヤミンに対しては銀三百枚とマントの着替え五着を与えた。23 また,自分の父には次のものを送った。すなわち,エジプトの良い品々を担ったろば十頭,父のため,その道中のための穀物とパンと食べ物を担った雌ろば十頭。24 こうして彼は自分の兄弟たちを送り出し,一行は出かけて行くことになった。しかし[ヨセフ]は彼らにこう言った。「途中で互いにいきり立ったりしないでください」。

    25 それで彼らはエジプトから上って行き,ついにカナンの地に,その父ヤコブのところに着いた。26 そして彼に報告してこう言った。「ヨセフはまだ生きています! しかも,エジプト全土を支配する者となっているのです」。しかし,彼の心は無感覚になっていた。彼ら[のことば]を信じなかったのである。27 彼らがヨセフの述べたすべての言葉を話していき,また彼を運ぶためにヨセフがよこした車を見るに及んで,その父ヤコブの霊は元気づいてくるのであった。28 その後イスラエルは叫んで言った,「これで十分だ。我が子ヨセフはまだ生きていたのだ。ああ,わたしは死ぬ前に行ってあの[子]に会わせてもらおう」。

2008/02/28/ 05:44 聖書 創世記 / TRACKBACK(0) / COMMENT(0) / PAGETOP  

  • 聖書 創世記 44章

    44 後に彼は自分の家をつかさどる者に命じて言った,「あの人々の袋にその運べるかぎりの食物を満たし,各人の金子をその袋の口に入れておきなさい。2 だが,わたしの杯,銀の杯を,末の者の袋の口に,その者の穀類の代金と一緒に必ず入れておくように」。それで彼はヨセフの語ったその言葉のとおりに行なった。

    3 朝,明るくなってから,人々はそのろばと共に送り出された。4 一行はその都市を出た。彼らがまだ遠くまで行かないうちに,ヨセフは自分の家をつかさどる者に言った,「立て! あの人々の跡を追え。必ず追いついて,こう言うのだ。『どうしてお前たちは善に対して悪で報いたのか。5 それは,わたしの主人が飲むのに用い,それによって巧みに兆しを読むものではないか。悪いことをお前たちは行なった』」。

    6 やがて彼は追いついて,この言葉を彼らに告げた。7 しかし彼らは言った,「どうして我が主はそのような言葉でお話しになるのでしょうか。僕どもがそのような事を行なうなど考えもつかないことです。8 袋の口に見つけた金子は,カナンの地から持って来てあなたにお返ししたではありませんか。それなのにどうしてご主人の家から銀や金を盗み出すことなどありましょう。9 この奴隷どものうちそれの見いだされる者がいれば,その者は死なせ,わたしたち自身もご主人の奴隷とならせてください」。10 すると彼は言った,「では今,お前たちのその言葉どおりにしてもらおう。それで,それの見いだされる者はわたしの奴隷となる。だが,お前たち自身は潔白な者とされよう」。11 そこで彼らは急いで各自の袋を地に降ろし,それぞれ自分の袋を開けた。12 それで彼は注意深く捜して回った。一番年上の者から始めて,一番年下の者で終わった。そしてついに,杯はベニヤミンの袋の中に見つかった。

    13 それで彼らは自分のマントを引き裂き,それぞれ自分の荷をまたろばに載せ,その都市に戻った。14 そして,ユダとその兄弟たちがヨセフの家に入って行くと,彼はまだそこにいた。それで彼らはその前で地にひれ伏した。15 するとヨセフは彼らに言った,「お前たちのしたこの行為はどういうことなのか。わたしのような者は巧みに兆しを読むということを知らなかったのか」。16 これに対しユダは叫ぶようにして言った,「ご主人様に対し私どもは何と申し上げられましょう。何をお話しできましょう。またどのようにして私どもの義を証明し得ましょう。[まことの]神はこの奴隷どものとがを見いだされました。さあ,私どもはご主人様の奴隷でございます。私どももその手に杯の見いだされた者も共に」。17 しかし彼は言った,「そのようにするのはわたしには考えられないことだ。その手に杯の見いだされた者,その者がわたしの奴隷となる。あとの者は,平安に父のもとへ上って行くがよい」。

    18 するとユダは彼に近づいて,こう言った。「お願いいたします。ご主人様,どうかこの奴隷にご主人様の聞かれるところで一言お話しさせてくださいますように。み怒りがこの奴隷に対して燃えることのないようにしてくださいますように。あなたはファラオと同じような方なのですから。19 ご主人様はその奴隷どもにお尋ねになって,『お前たちには父や弟がいるか』と言われました。20 それで私どもは,『はい,年老いた父とその老年の子である末の者がおります。しかしその兄が死にましたため,ただ彼だけがその母の[子]として残されており,父はこれを大そう愛しております』とご主人様に申し上げました。21 その後この奴隷どもに,『その者を連れて来て,わたしが一目見ることができるようにせよ』と言われましたが,22 私どもは,『あの子は父のもとを離れることができません。もし離れでもすれば,父はきっと死んでしまうことでございましょう』とご主人様に申し上げました。23 するとこの奴隷どもに言われたのです,『末の弟が一緒に下って来るのでないかぎり,お前たちはもはやわたしの顔を見ることはない』と。

    24 「それから,私どもはあなたの奴隷である父のもとに上って行って,ご主人様の言葉を伝えたのです。25 後に父は,『また行って,少しの食物をわたしたちのために買って来るように』と申しました。26 しかし私どもは申しました,『わたしたちは下って行くことはできません。末の弟が一緒なら下ってまいります。末の弟が一緒でなければ,わたしたちはあの方の顔を見ることができないからです』。27 すると,あなたの奴隷であるわたしの父は私どもに申しました,『あなた方もよく知るとおり,わたしの妻はただ二人の子をわたしに産んだ。28 後にその一人はわたしのもとからいなくなり,わたしは,「ああ,あの子はきっとかき裂かれてしまったのだ」と言った。そして今になるまでわたしはあの子を見ていない。29 この子までわたしの前から連れて行って,もしもの事が起きるとすれば,あなた方は,白髪のわたしをきっと災いのうちにシェオルに下らせることになるだろう』。

    30 「それで今,あなたの奴隷であるわたしの父のところへこの子を連れずに戻るようなことになれば,かの者の魂はこの者の魂と結び合っておりますので,31 必ずや[父]はこの子がいないのを見ただけで死んでしまい,この奴隷どもはあなたの奴隷であるわたしどもの白髪の父をまさに悲嘆のうちにシェオルに下らせることになることでございましょう。32 実のところ,この奴隷はこの子が父のもとから離れております間その保証人となり,『もし彼をあなたのもとに連れ帰らないとすれば,わたしは父に対し永久に罪を犯したことになります』と申しました。33 ですから今,どうかこの奴隷をご主人様の奴隷としてこの子の代わりにとどまらせ,この子はその兄弟たちと一緒に上って行かせてくださいますように。34 と申しますのは,どうして私はこの子を連れずに父のもとに上って行くことができるでしょうか。私は父に臨む災いを見ることを恐れるのです」。

2008/02/28/ 05:42 聖書 創世記 / TRACKBACK(0) / COMMENT(0) / PAGETOP  

  • 聖書 創世記 43章

    43 さて,飢きんはその地において厳しかった。2 それで,エジプトから持って来た穀類を食べ尽くしてしまうと,父は彼らに言うのであった,「また行って,少しの食物をわたしたちのために買って来なさい」。3 するとユダが言った,「あの人はわたしたちにはっきり証しして言いました,『弟が一緒に来るのでないかぎり,お前たちは二度とわたしの顔を見てはならない』と。4 弟を一緒に行かせてくださるのでしたら,わたしたちも喜んで下って行って,あなたのために食物を買ってまいります。5 ですが,行かせてくださらないのでしたら,わたしたちは下っては行きません。あの人は,『弟が一緒に来るのでないかぎり,二度とわたしの顔を見てはならない』と確かに言ったのですから」。6 するとイスラエルは叫んで言った,「どうしてお前たちは,もうひとり弟がいるなどとその人に言って,わたしをつらいめに遭わせなければならなかったのか」。7 それに対して彼らは言った,「わたしたちやわたしたちの親族についてあの人がじかに尋ねて,『あなた方の父はまだ生きているか。ほかに兄弟がいるか』と言ったものですから,わたしたちはこれらをそのとおりに話していったのです。『弟を連れて来い』とあの人が言うことなど,どうしてはっきり知り得たでしょうか」。

    8 最後にユダが父イスラエルに言った,「あの子をわたしと一緒に行かせてください。わたしたちが立って出かけて行き,わたしたちも,あなたも,わたしたちの幼子たちも生きつづけ,死に絶えないようにするためです。9 わたしが彼の保証人となります。彼に関する償いはわたしの手にお求めになってかまいません。もしわたしが彼を連れて来ず,あなたの前に立たせないならば,そのときわたしはあなたに対していつまでも罪を犯したことになります。10 ですが,もしこうしてぐずぐずしていなかったなら,今ごろまでに二度もそこへ行って来れたでしょう」。

    11 すると父イスラエルは彼らに言った,「そうした事情なら,では,こうするがよい。あなた方の入れ物の中にこの地の最良の産物を入れ,それを贈り物としてその人のもとに運んで行くのだ。少しのバルサム,少しの蜜,ラダナムゴムとやに質の樹皮,ピスタチオの実とアーモンドを。12 また,手には二倍の金子を持って行きなさい。袋の口に戻してあった金子はあなた方の手でお返しするのだ。それは何かの間違いであったのかもしれない。13 こうして弟を連れ,立ってその人のもとに戻って行きなさい。14 そして,全能の神がその人の前であなた方に哀れみをかけてくださり,こうしてその人がもう一人の兄弟とベニヤミンとを間違いなく釈放してくれるように。だが,このわたしが,もしも子を失わねばならないのならどうしても失うことになるのだ」。

    15 そこで人々はその贈り物を携え,またその手に二倍の金子を取り,ベニヤミンを[伴った]。そののち身を起こしてエジプトに下って行き,ヨセフの前に立つことになった。16 ベニヤミンが共にいるのを見ると,ヨセフはすぐに自分の家をつかさどる者にこう言った。「この人たちを家に連れて行き,動物をほふって支度をしなさい。この人たちは昼にわたしと一緒に食事をするのだ」。17 直ちにその人はヨセフの言ったとおりに行なった。こうしてその人は一行をヨセフの家に連れて行った。18 しかしその者たちは,自分たちがヨセフの家に連れて来られたことで怖くなり,こう言うのであった。「始めのとき袋に入って一緒に戻って来たあの金のためにわたしたちはここに連れて来られているのだ。彼らはわたしたちに襲いかかって攻め,わたしたちを捕まえて奴隷にし,ろばも[奪おう]というのだ」。

    19 そこで彼らはヨセフの家をつかさどる人に近づき,家の入口のところでその人に話して 20 こう言った。「失礼ですが,我が主よ! わたしどもは始めの時にも確かに食物を買いに下ってまいりました。21 ところが,宿り場に来て袋を開けていきましたところ,見ると,各人の金子がその袋の口にあったのです。わたしどもの金子がそっくりその目方どおりにです。それでわたしどもはそれを自分の手でお返ししたいのです。22 そして,食物を買うため,わたしどもの手にはさらに金子を携えてまいりました。わたしどもの金子をだれが袋の中に入れたか,わたしどもは全く知らないのです」。23 すると彼は言った,「あなた方のことは大丈夫です。恐れなくてよいのです。あなた方の神,またその父の神が袋の中に宝を下さったのでしょう。あなた方の金子は最初わたしのところに納められました」。そののち彼はシメオンをみんなのところに連れて来た。

    24 次いでその人は一行をヨセフの家の中に入れ,水を与えてその足を洗えるようにし,ろばのために飼い葉を与えた。25 それで彼らはヨセフが昼に来るのに備えて贈り物の用意を始めた。自分たちがそこでパンを食べることになっているのを聞いていたからである。26 ヨセフが家の中に入って来ると,彼らは自分たちの手にある贈り物をそのもとへ,家の中へ携え入れ,彼に向かって地に平伏した。27 こののち彼はその人たちが元気かどうかを尋ね,さらにこう言った。「あなた方の父,あなた方が話していた年寄りは元気でいますか。まだ生きていますか」。28 それで彼らは言った,「あなたの僕である私どもの父は元気に暮らしております。まだ生きております」。そののち彼らは身をかがめて平伏した。

    29 目を上げて自分の弟,つまり自分の母の子であるベニヤミンを見たとき,[ヨセフ]はさらに言った,「これがあなた方の弟,わたしに話していた末の子か」。そして加えて言った,「我が子よ,神があなたに恵みを示されるように」。30 このとき,ヨセフは自分の弟に対する内なる感情が高まり,急いで[その場を立った]。そして泣く[場所]を求めて奥の部屋に入り,そこでどっと涙を流すのであった。31 そののち顔を洗ってから外に出,自分を制してこう言った。「食事を出しなさい」。32 それで人々は,彼には彼だけに,彼らには彼らだけに,そして彼と共に食事をするエジプト人にはその者たちだけにそれを出していった。エジプト人はヘブライ人と一緒に食事を取ることができなかったからである。それはエジプト人にとって忌むべきことなのである。

    33 そして一同は彼の前の席に着いていたが,長子は長子としての権利にしたがい,一番若い者はその若さにしたがって[席に着けられていた]。そのため人々は驚いて互いを見つめるのであった。34 そして[ヨセフ]はみんなの分を自分の前から運ばせていたが,ベニヤミンの分を他のすべての者の分の五倍も多くするのであった。こうして一同は彼と共に宴を続けて存分に飲んだ。

2008/02/28/ 05:36 聖書 創世記 / TRACKBACK(0) / COMMENT(0) / PAGETOP  

  • 聖書 創世記 42章

    42 やがてヤコブはエジプトに穀類のあることを知った。それでヤコブは息子たちに言った,「どうしてあなた方は[顔を]見合わせてばかりいるのか」。2 そして加えて言った,「いまわたしは,エジプトに穀類のあることを聞いた。そこへ下って行って,わたしたちのためにそこから買って来なさい。生きつづけるため,死に絶えないようにするためだ」。3 そこでヨセフの十人の兄弟たちは,エジプトから穀物を買うために下って行った。4 しかしヤコブはヨセフの弟のベニヤミンを他の兄弟たちと一緒に行かせなかった。「でないと,もしもの事がこれに起きるかもしれない」と言うのであった。

    5 こうしてイスラエルの子らは,買いに来た他の人々と一緒にやって来た。飢きんはカナンの地にも起きていたからである。6 そして,ヨセフはこの地に対する支配力を持つ者であった。地のすべての民に売り渡しを行なったのも彼であった。そのためヨセフの兄弟たちも来てその前に身を低くかがめ,顔を地につけるのであった。7 その兄弟たちを見たとき,ヨセフはすぐにそれと気づいたが,彼らには自分のことを気づかれないようにした。それで彼らに厳しい話し方をしてこう言った。「お前たちはどこから来たのか」。そこで彼らは言った,「カナンの地から食料を買いに参りました」。

    8 こうしてヨセフは自分の兄弟たちのことに気づいていたが,彼らのほうでは気づかなかった。9 ヨセフはすぐに,彼らに関して自分が見た夢を思い出した。そして,さらにこう言った。「お前たちは回し者だ! この地のあらわな様子を見ようとしてやって来たのだ!」10 それで彼らは言った,「いいえ,我が主よ,僕どもは食料を買うために参りました。11 わたしどもはみな一人の人の子で,廉直な人間でございます。僕どもは回し者などではございません」。12 だが彼は言った,「いや,そうではない! お前たちはこの地のあらわな様子を見ようとしてやって来たのだ!」13 そこで彼らは言った,「僕どもは十二人兄弟で,カナンの地の一人の人の子でございます。そして,ご覧ください,末の者はただいま父のもとにおり,あとの一人はもうおりません」。

    14 しかしヨセフは言った,「それだ,『お前たちは回し者だ』とわたしが言ったのは。15 お前たちはこれによって試されることになる。すなわち,ファラオは生きておられるが,末の弟がここに来るのでなければ,お前たちはここから出ることはない。16 お前たちのうちの一人を行かせて,お前たちのつながれている間にその者が弟を連れて来るようにせよ。それによってお前たちの言葉は,お前たちに関して真実かどうかが試されるのだ。そして,もし違うならば,ファラオは生きておられるが,お前たちは回し者なのだ」。17 こうして彼らを共に三日間拘禁した。

    18 その後三日目にヨセフは彼らに言った,「このようにして生きつづけよ。わたしも[まことの]神を恐れる。19 お前たちが廉直な者であるなら,兄弟のうちの一人をいまいる拘禁の家につないでおき,あとの者は行って,自分たちの家の飢きんのための穀類を運ぶがよい。20 それから,末の弟をわたしのところに連れて来て,お前たちの言葉が信頼できることを示すのだ。そうすれば,お前たちは死なないですむだろう」。それで彼らはそのとおりにすることになった。

    21 そして彼らは互いにこう言いだした。「確かにわたしたちは弟のことで罪科がある。わたしたちの同情を請い求めていたのに,その魂の苦しみを見ながらそれを聴き入れなかったからだ。だからこの苦しみがわたしたちに臨んでいるのだ」。22 するとルベンが答えて言った,「『その子に罪をおかしてはいけない』とわたしは言ったではないか。それなのにあなた方は聴かなかった。だからいま彼の血に関し,ここでまさにその返済を求められているのだ」。23 彼らとしては,ヨセフが聴いていることを知らなかった。その間には通訳がいたからである。24 そのため[ヨセフ]は彼らから離れて行って泣くのであった。その後そのところに戻り,彼らに話してその中からシメオンを取り,彼らの目の前でこれを縛った。25 それからヨセフが命令を与えると,人々は彼らの入れ物に穀物を満たしていった。さらに,彼らの金子を各人の大袋に戻し,旅のための食糧も与えるようにということになった。それで彼らに対してそのとおりに行なわれた。

    26 こうして彼らは自分たちの穀類をろばに積んでそこをたった。27 宿り場でろばに飼い葉をやろうとして一人が自分の大袋を開けたところ,そこに見つけたのは自分の金子であった。それが,大袋の口にあったのである。28 そこで彼は兄弟たちに言った,「わたしのお金が返されている。しかも,見なさい,わたしの袋の中に入っているのだ」。それで彼らの心は沈み,震えながら互いに[顔を]見合わせてこう言った。「神がわたしたちに行なわれたこの事は一体どういうことなのだろう」。

    29 ようやく彼らはカナンの地の父ヤコブのもとに着き,自分たちに起きたすべての事を話して,こう言った。30 「その国の主たる人はわたしたちに厳しい話し方をしました。わたしたちのことを,その国をうかがう回し者とみなしたためです。31 でもわたしたちはその人に言いました,『わたしどもは廉直な人間です。回し者などではございません。32 わたしたちは十二人兄弟で,同じ父の子らです。一人はもうおりませんが,末の者はただいまカナンの地で父のもとにおります』。33 ところがその国の主たる人は言いました,『これによってわたしはお前たちが廉直な者だということを知ることにしよう。つまり,兄弟の一人をわたしのもとにとどまらせよ。そして,自分たちの家の飢きんのためのものを持って行くがよい。34 それから末の弟を連れて来て,お前たちが回し者ではなく廉直な者であることを,わたしが分かるようにするのだ。お前たちの兄弟をわたしは返すであろうし,お前たちもこの地で商売をしてよいことになろう』」。

    35 それから彼らがそれぞれ大袋の中身を空けてゆくと,見よ,各人の金子の包みがその袋の中に入っているのであった。それで,彼らもその父も自分たちの金子の包みを見て恐れを抱いた。36 そのとき彼らの父ヤコブは叫んで言った,「あなた方はこのわたしから奪い去ったのだ。ヨセフはもういない。シメオンももういない。そしてベニヤミンまで連れて行こうとする。これらはみんなこのわたしの身に及んだのだ」。37 しかしルベンは父に言った,「もしわたしが彼を連れて帰らないなら,わたしの二人の息子を死にお渡しになってもかまいません。彼をわたしの手にお任せください。このわたしが彼をあなたのもとに帰らせます」。38 それでも彼は言った,「わたしの子はあなた方と一緒に下っては行かない。その兄は死んで,彼はただ独り残されたのだ。あなた方の行く道で彼の身にもしもの事でもあれば,白髪のわたしをきっと悲嘆のうちにシェオルに下らせることになろう」。

2008/02/28/ 05:34 聖書 創世記 / TRACKBACK(0) / COMMENT(0) / PAGETOP  

  • 聖書 創世記 41章

    41 それから満二年の終わりのこと,ファラオは夢を見ていたが,見ると,自分はナイル川のそばに立っているのであった。2 そして,そこへナイル川から上がって来たのは,姿が美しく肉づきの良い七頭の雌牛で,それらはナイルの草むらで草をはんでいた。3 また,見ると,その後に別の七頭の雌牛がナイル川から上がって来たが,姿は醜く,肉づきも悪かった。それらはナイル川の岸のそばにいた雌牛と並んで立った。4 そして,姿が醜く肉づきも悪い雌牛が,姿が美しくてよく肥えた七頭の雌牛を食い尽くしていったのである。ここでファラオは目が覚めた。

    5 ところが彼は再び寝入って二つ目の夢を見た。そして,今度は穀物の穂七つが一本の茎に出ていたが,丸く膨れた良い[穂]であった。6 また,見ると,穀物の穂七つ,やせて東風に焦がされたものがその後から伸びてきた。7 そして,そのやせた穂が,膨らんで実の詰まった七つの穂を呑み込んでいった。ここでファラオは目が覚めたが,なんとそれは夢であった。

    8 そして朝になると,彼の霊は騒ぎ立つのであった。それで,人をやって,魔術を行なうエジプトのすべての祭司またすべての賢人たちを呼び,それからファラオは自分の夢を彼らに話していった。しかし,ファラオのためにそれを解き明かす者はいなかった。

    9 そのとき献酌人の長はファラオに話してこう言った。「私の罪に関して今日ここに申し上げます。10 ファラオはご自分の僕たちを憤られました。そして私を護衛の長の家にある牢屋に渡されました。私とパン焼き人の長のふたりをです。11 その後私どもは,私も彼も共に,同じ夜に夢を見ました。各々それなりの解き明かしを持つ夢を見たのです。12 そして,そこには,私どもと共に,護衛の長の僕であるヘブライ人の若者がおりました。私どもがそれについて話しましたところ,彼はその夢を解き明かしてくれました。各々に,その夢に応じた解き明かしをしてくれました。13 そして,彼が解き明かしてくれたとおりになったのです。[ファラオ]は私を元の職務に戻し,彼を[杭に]お掛けになりました」。

    14 そこでファラオは人をやってヨセフを呼び,獄の穴から彼をすぐに連れて来させることにした。それで彼は毛をそり,マントを着替えてファラオのもとに入った。15 するとファラオはヨセフに言った,「わたしは夢を見たのだが,それを解き明かしてくれる者がいない。ところでわたしはお前について聞いたのだが,お前は夢を聞いてそれを解き明かすことができるということだ」。16 それに対しヨセフはファラオに答えて言った,「私はご考慮いただくほどの者ではございません。神がファラオに幸いをお告げになるものと存じます」。

    17 そこでファラオは続いてヨセフにこう話した。「夢の中であったが,見ると,わたしはナイル川の岸に立っていた。18 すると,そこへナイル川から上がって来たのは,肉づきが良く形の美しい七頭の雌牛で,ナイルの草むらで草をはみはじめた。19 また,見ると,その後から別の七頭の雌牛が上がって来たが,貧弱で形ははなはだ悪く,肉づきも悪かった。醜さの点で,わたしはエジプト全土にかつてそれほどのものを見たことがない。20 ところが,そのやせこけた醜い雌牛が,初めの肥えた七頭の雌牛を食い尽くしていったのだ。21 それで,これらはその腹の中に入ったのだが,それでもそれが腹の中に入ったとは分からないほどであった。その姿が始めと同じように醜かったからだ。ここでわたしは目が覚めた。

    22 「その後,夢の中で見たのだが,今度は穀物の穂七つが一本の茎に出ていた。実の詰まった良い[穂]であった。23 また,見ると,しなびてやせ,東風に焦がされた七つの穂がその後から伸びてきた。24 そして,そのやせた穂が七つの良い穂を呑み込んでいった。それでわたしは魔術を行なう祭司たちにそのことを述べたが,わたしに告げてくれる者はいなかった」。

    25 その時ヨセフはファラオに言った,「ファラオの夢はただ一つのことです。[まことの]神はその行なおうとしておられる事をファラオにお告げになったのです。26 七頭の良い雌牛とは七年のことです。そして七つの良い穂も七年のことです。その夢はただ一つのことです。27 また,後から上がって来たやせこけた醜い七頭の雌牛も七年のことです。東風に焦がされた,からの七つの穂は七年の飢きんです。28 私がファラオに申し上げたことですが,[まことの]神はその行なおうとしておられる事をファラオにお示しになったのです。

    29 「これから,エジプトの全土には非常に豊作の七年が来ます。30 しかし,飢きんの七年が必ずその後に起こります。エジプトの地のすべての豊作はきっと忘れられ,飢きんがこの地をまさになめつくすことになります。31 そして,この地のかつての豊作は後に来るその飢きんのために知られなくなります。それは必ず非常に厳しいものとなるからです。32 そして,この夢がファラオに二度繰り返されたということは,それが[まことの]神の側において堅く定められたという意味であり,[まことの]神は速やかにそれを行なわれるのです。

    33 「それで今,ファラオは思慮深くて知恵のある人を見つけ,その人をエジプトの地の上にお立てになりますように。34 ファラオは行動され,この地に監督たちを任命されますように。そして,豊作の七年の間エジプトの地の五分の一をお取りにならなければなりません。35 そして,それらの人にこれから来る良い年のすべての食料を集めさせ,ファラオの手の下に穀物を食料としてそれぞれの都市に蓄えさせられますように。そして彼らはそれを安全に守らなければなりません。36 こうして,エジプトの地に広がる七年の飢きんの間,その食料がこの地のための備えとなり,この地が飢きんによって断たれることのないようにするのです」。

    37 さて,これはファラオおよびそのすべての僕たちの目に良いことに見えた。38 それでファラオはその僕たちに言った,「神の霊が宿るこのような人をほかに見いだすことができようか」。39 その後ファラオはヨセフに言った,「神があなたにこのすべてを知らせられたのであるから,あなたのように思慮深くて知恵のある人はいない。40 あなた自身がわたしの家をつかさどり,わたしの民すべてはあなたに全面的に従うことになる。ただ王座に関してのみわたしがあなたより大いなる者となる」。41 そしてファラオはさらにヨセフに言った,「見なさい,わたしはあなたを確かに据えてエジプトの全土をつかさどらせる」。42 そうしてファラオは認印指輪を自分の手から外してヨセフの手にはめ,上等の亜麻布の衣を彼に着せ,金の首飾りをその首に掛けさせた。43 さらに,自分の持つ第二位の兵車に彼を乗らせて,その前に「アブレーク!」と呼ばわらせ,こうして彼をエジプトの全土の上に据えた。

    44 そしてファラオはさらにヨセフに言った,「わたしがファラオであるが,あなたの認可なくしては,エジプト全土において何人も手や足を挙げることを許されない」。45 その後ファラオはヨセフの名をザフナテ・パネアと呼び,オンの祭司ポティフェラの娘アセナトを妻として彼に与えた。こうしてヨセフはエジプトの地へ出ることになった。46 そして,エジプトの王ファラオの前に立ったとき,ヨセフは三十歳であった。

    それからヨセフはファラオの前を出て,エジプトの全土を回った。47 そして,豊作の七年の間その地は手にあふれるほど産出しつづけた。48 それで彼はエジプトの地にできたその七年間のすべての食料を集めてゆき,その食料をそれぞれの都市に置くのであった。周りの野から来る食料をその都市の中に置いたのである。49 こうしてヨセフは穀物を非常に多く,海の砂のように積み上げてゆき,ついには数えるのをやめてしまった。それは数知れなかったからである。

    50 そして,飢きんの年が到来する前にヨセフに二人の息子が生まれた。オンの祭司ポティフェラの娘アセナトが彼に産んだのである。51 それでヨセフは長子の名をマナセと呼んだ。その言うところ,「神はわたしのすべての難儀を,またわたしの父の全家を忘れさせてくださった」からであった。52 そして二人目の[子]の名をエフライムと呼んだ。その言うところ,「神はわたしが惨めさを味わった地でわたしを実り多い者としてくださった」からであった。

    53 そしてエジプトの地に臨んだ七年の豊作は次第に終わり,54 代わって七年の飢きんがヨセフの述べたとおりに到来し始めた。そしてその飢きんはすべての土地に及んだが,エジプトの全土にはパンがあった。55 だが,ついにはエジプトの全土も飢きんになり,民はファラオにパンを叫び求めるようになった。するとファラオはすべてのエジプト人に言った,「ヨセフのところに行け。何でも彼の言うところを行なうのだ」。56 そして飢きんは地の全面に臨んだ。そのときヨセフは人々の中にあったすべての穀物貯蔵所を開いてエジプトの人々に売りはじめた。飢きんはエジプトの地を強くとらえていたのである。57 さらに,全地の人々がヨセフから買い求めるためエジプトにやって来た。飢きんは全地を強くとらえていたからである。

2008/02/28/ 05:33 聖書 創世記 / TRACKBACK(0) / COMMENT(0) / PAGETOP  

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